〔day1〕摂氏41度の灼熱の荒野!ラスベガスからグランドキャニオンに竹の自転車と着物で走ってみた

「水をくれませんかーーーー!?」

 

5分毎に、そう叫びたくなる。

ここは、ラスベガス、灼熱の荒野。

 

摂氏、41℃の砂漠気候とは恐ろしいもので・・・

卵を買えば、帰る頃にはゆで卵。

服を干せば、10分で乾燥。

iphoneを使おうものなら「高音注意」で使い物にならず。
 
 
そんな、オーブンで焼かれるような気候にもめげずに

300マイル(480km)も離れたグランドキャニオンまで

自転車で向かおうとする男がいた。

 
聞くところによるとその男は

「竹の自転車」にまたがっているとのこと。

しかも、「着物」を身にまとっているらしい・・・。
 
 
泣く子も二度見する

そんな、サムライのような男は

世界に1人しかいない。
 
 
そう
 
 
私である。笑

 

ということで、Day1スタート!

とにかく、ラスベガスは、暑い!

それもそのはず。41度の砂漠地帯だからだ。

街で、水なしで歩こうものなら、すぐに熱中症。

だから、街で歩いている人をほどんど見かけない。

自転車に乗っている人すら見かけない。

だから、この旅ではとにかく水が大切だった。

自転車に搭載する水の量を誤れば、命に関わるからだ。

街のスーパーで水を6ℓ、念のため氷も、2kg購入。

6ℓもあれば、大丈夫だろうと思っていたのだが・・・

ラスベガスの街から20kmほど離れた場所で、死にかけたのだった。

 

街から20km地点、砂漠地帯の洗礼

ラスベガスの街を離れれば離れるほど、人影がなくなっていく。

もしもの時、避難できる民家も、もちろんコンビニなんてありゃしない。

一番、危険だったのは、太陽の直射日光。

直射日光が否応無しに、体の水分をぶん取っていく。

たった、1分でも素肌をさらけ出して立っていたら、身体中の水分がという水分が沸騰して、自分ごとに蒸発して天に召される感覚だ。

水は6ℓも用意したが、この20km時点ですでに2ℓになっていた。

ゴールまで、あと60kmもあるにも関わらずだ。

追い討ちをかけるように、残りの2ℓの水が、炎天下の直火で、熱湯になっている。

飲んでも、飲んだ気がしない。

かろうじて、念のために買っていた氷が溶けていかなったので、戦時中のドロップみたいに、大切に、大切に食べていた。

「僕に、今すぐに、大量の冷たい水をぶっかけてください!」

そう叫ばずにはいられなかった。

 

砂漠で起こった奇跡

そんな究極に追い込まれた状況の中、ある建物を発見した。

一瞬、蜃気楼でも見ているのかと錯覚した。

近づいて見ると、病院のような、老人ホームのような施設だった。

「こんな砂漠のど真ん中に、なぜ、こんな施設が」

と疑問に思ったが、とにかく水が欲しかった私は、中に入ろうとした。

しかし・・・

ドアにはオートロックがかかっていて、中に入れない。

人がいる気配もない。

「ここで、人が来るまで待つか・・・。」

と思うも、待っている間にも、砂漠の熱風が私に襲いかかる。

どうしようもない状況に追い込まれ、途方にくれていた時だった。

ふと自動ドアに向かって右を見ると、何やら青いタンクみたいなものがある。

それは、神からの施しだった。

ウォーターサーバーだったのだ。

しかも、大量の氷が入っており、キンキンに冷えていた。

一体誰が、何の目的で、わざわざ暑い外に、ウォーターサーバーを置いていたのかわからない。

しかし、「誰でも飲んでください」と言わんばかりに、コップまで設置してある。

氷が溶けていないところから察すると、設置してまもないみたいだ。

もう、奇跡以外の何者でもなかった。

もちろん私は、その貴重な水をいただいた。

熱くなったお湯を捨てて、キンキンに冷えたフレッシュな水を入れた。

人目をはばからず、大量に飲んだ。

奇跡は本当に起こるものなのだ。

 

荒野を疾走!高速道路

その後、道が行き止まりだったり、グランキャニオン公園のゲートを潜ったり、紆余曲折があった。

ともあれ、私はこれから、ルート93に乗って走っていく。

この道は、いわゆる、高速道路だ。

高速道路は、自転車旅行者にとっては地獄だ。

なぜなら、走っている間、ずっと、緊張感を高めとかなくてはならないからだ。

つまり、いつ何時、車に突っ込まれるかという恐怖と戦わなければならないのだ。

前にも、後ろにも、自転車で高速道路を走っている人などいない。

車は、ビュンビュン走り去っていくのに、私は1人恐怖と戦いながらコギコギ。

孤独なレースは続いていくのである。

 

心配してくれた車のおじさんジェイ

途中、おじさんが、私を心配して、車を止めてくれた。

私は「あ!」と声を上げた。

なぜなら、私はこのおじさんと一度、会っているからだ。

話を戻して、2時間前。

私は、奇跡の施設から、高速道路を目指していた。

ウーバーダムという鉱山の道の先に高速道路があったのだが、高速にたどり着く前に、まさかの行き止まりになってしまったのだ。

その道の他に、高速に向かうルートが分からなかった私は、とりあえず鉱山を降りることにした。

その時、下からたまたま歩いて来た男が、ジェイだった。

事情を彼に話すと

「この先に、観光案内所があるから行ってみるといい」

と提案してくれた。

結果的に、観光案内所で道を聞くことができて、高速道路までたどり着けたのだった。

つまり、今高速を走れているのは、ジェイのおかげだったのだ。

そんな、ジェイが私を見つけて、わざわざ止まってくれたのだった。

どうも、同じ年の息子がいるみたいで、ほっとけないとのこと。

ありがたい。旅は人の温かさを感じさせれくれる。

本当にありがたい。

 

 

無事、キャンプができる場所へ

ジェイの助けもあって、なんとかキャンプができる場所へ辿り着いた。

もちろん荒野だ。

私が驚いたのは、卵ケースに入っていた卵が、蒸されてゆで卵になっていたことだ。

腐りかけた匂いすらした。

どれだけ暑かったのかを物語る。

私の人生史上、一番暑いキャンプであったことは言うまでもない。

 

私のおしりが無料公開

キャンプ場についてから気づいたことがある。

私の股引が裂けてパックリ開いていた。

そして、告白するが、私はパンツを履いていなかった(暑すぎたので)。

思い返してみると、この日。

お尻を後ろに突き出した形で、よく立ち漕ぎをしていた。

高速道路で、私のきれいなお尻が、目に飛んで来てしまったドライバーの皆さま。

すいません。w

 

Day1 ダイジェスト動画

 

Day1の詩

最後に、1日で学んだことを詩にしていこうと思う。

今日の詩は、こちらだ。

 

「水」
 
人は何がないと生きていけないかって、水。


喉が干からびている時の、キンキンに冷えた水は、まさに「幸せ」。

ローストされた体に滴る水は、まさに「天使の雫」。

水が切れかけてる時の、恵んでもらう水は、まさに「命」。


日本には、そんな水が。

しかも、新鮮で綺麗な水が

どれだけでもあるのです。


「飲める水でシャワーを浴びてる」


そんなこと、世界で簡単に口外したらいけません。

なんて贅沢なんだ!と羨ましがられます。


日本に住んでいる人達は

「新鮮な水が豊富にある」というだけで

幸せの8割は手にしています(と思います。)


幸せは当たり前の中に。

 

Day1の詳細


ラスベガス→ウィロービーチ
52.6マイル 84キロ
8時間30分

次の日は、危険なオーバーナイトステージです!

〔day2〕摂氏41度の灼熱の荒野!ラスベガスからグランドキャニオンに竹の自転車と着物で走ってみた

2019年8月6日

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